監修者プロフィール
管理栄養士
山田 由紀子
武庫川女子大学短期大学部食生活学科卒。給食会社と病院で栄養管理業務に従事。出産を機にフリーランスへ転向。保健センターなどで栄養指導・食事相談を行うほか、料理教室や発酵食づくりのワークショップを主催。
現在は、栄養関連の記事執筆やレシピ作成、栄養監修、食生活アドバイスなどを中心に活動。管理栄養士の知識と経験を元に、最新かつ正しい情報をお届けし、あなたの健康づくりをサポートします。
「栄養バランスが考えられた食事」は健康の源だとよくいわれますね。でも、どんな食事がいいのか、正直よくわからないという方が多いのではないでしょうか?
私も、栄養バランスに気をつけているつもりでも、つい好きなものだけを食べてしまったり同じメニューが続いてしまったり…栄養が偏ってしまうことはよくあります。
体がだるい、やる気が出ない、肌の調子が悪いなど、病気ではないけれど、体調がイマイチというときは栄養が偏っているサインかもしれません。
栄養バランスを整えるためには、栄養の基本である「栄養素」について知ることが大切です。
そこで、栄養バランスが考えられた食事とはどのようなものか、必要な栄養素には何があって、どの食材をとればいいのかなどを解説します。
「栄養素」について詳しくなれば、栄養バランスを整えるのが上手になりますよ!
目次
栄養バランスが考えられた食事ってどんなもの?
「栄養バランスが考えられた食事」とは、体と心の健康を保つために必要な栄養素が偏りなくとれる食事のことです。
「栄養素」は、肉や野菜、果物などの食物に含まれる成分で、食事によって体内に摂りこまれると消化吸収され、私たちが生きていくために使われます。
必要な栄養素でとくに重要なものは、糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5つです。これらを「5大栄養素」と呼び、それぞれの栄養素には大切な3つの役割があります。
1つめは、体のエネルギー源になること、2つめは、体を作る材料になること、3つめは、体の調子を整えることです。
毎日の食事で、偏りなく色々な食材を食べることで、必要な栄養素が適切に補給され、日々の健康を保つことができます。
栄養バランスが考えられた食事に必要な「5つの栄養素」を解説
栄養バランスが考えられた食事に必要な「5大栄養素」について、それぞれの特徴と役割、多く含まれる食品を解説します。
1)糖質
糖質はおもに脳や体を動かすためのエネルギー源になります。単糖類のブドウ糖、果糖や多糖類のデンプンなどの種類があり、穀類や果物などに多く含まれています。
糖質と同じくエネルギー源になる脂質と比べて、分解・吸収が早く、すぐにエネルギーに変わるのが特徴です。
糖質と食物繊維を合わせたものが炭水化物で、食物繊維は腸の掃除をするなど消化器系を健康に保つうえで欠かせません。
2)脂質
脂質は炭水化物と同様に、体を動かすためのエネルギー源になります。構造の違いにより、単純脂質、複合脂質、誘導脂質の3タイプがあり、植物油や肉の脂などに多く含まれています。
脂質のエネルギー量は炭水化物の2倍以上あるため、より効率の良いエネルギー源として利用できます。ただし、摂りすぎると肥満の原因になるため注意が必要です。
エネルギー源になるほか、細胞膜やホルモンの材料となったり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりする役割もあります。
3)タンパク質
タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚、爪、髪など、体をつくる材料になります。肉や魚などに含まれる動物性タンパク質と、大豆などに含まれる植物性タンパク質の2種類があり、両方をバランスよくとることが重要です。
体を作る材料になるほか、代謝に欠かせない酵素やホルモン、免疫抗体などの原料にもなり、栄養素の運搬にも関わります。また、エネルギー源としての役割もあります。
4)ビタミン
ビタミンは、体の調子を整えたり、ほかの栄養素の働きを助けたりする潤滑油のような役割があります。ビタミンには、水に溶けない脂溶性ビタミンのビタミンA・D・E・Kと、水溶性ビタミンのビタミンB群・Cがあります。
ほとんどのビタミンは体内に貯蔵できないので、食事から定期的に摂ることが大切です。
5)ミネラル
ミネラルは、骨や歯、皮膚、血球など体の組織を作る材料になったり、体の調子を整えたりする役割があります。
カルシウム、鉄、カリウム、ナトリウムなどがあり、微量ながらも健康維持には欠かせない栄養素です。
栄養素が不足や過剰になるとどうなる?
必要な栄養素をバランスよく摂ることが、健康的な食事の基本です。
栄養素は不足しても、摂りすぎても、健康に悪影響があるので適量を摂るように心がけましょう!
不足すると
適切な量の栄養素の不足が続くと、栄養失調の状態になります。
たとえば、炭水化物とタンパク質の不足は、子供の成長障害や発育不良をひき起こします。ビタミンとミネラルの不足は、免疫力が下がり病気にかかりやすくなったり、貧血や骨粗しょう症などにつながります。
過剰になると
栄養素のとり過ぎは、肥満や生活習慣病、過剰症などをひき起こします。
たとえば、タンパク質のとり過ぎは、腎臓病のリスクを高めます。脂溶性ビタミンを過剰にとると、頭痛や嘔吐、骨障害などの過剰症に陥ることがあるので、サプリメントなどを利用するときは必ず適量を守るようにしましょう。
タンパク質の一回の必要摂取量は?計算方法とおすすめ食材【管理栄養士監修】まとめ
栄養バランスが考えられた健康的な食事とは、必要な栄養素が過不足なく摂れていることはもちろん、おいしさや楽しみを感じて食べられることも大切です。
栄養素には、5大栄養素のほかにも野菜や果物に豊富なフィトケミカルやヨーグルトの乳酸菌など、さまざまな成分があり私たちの健康をサポートしてくれます。
自然からの恵みである栄養素をしっかりとって、健康で笑顔いっぱいの毎日を過ごしましょう。
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- 参考書籍
- 成美堂出版「栄養の基本がわかる図解事典」中村丁次監修