監修者プロフィール
管理栄養士
山田 由紀子
武庫川女子大学短期大学部食生活学科卒。給食会社と病院で栄養管理業務に従事。出産を機にフリーランスへ転向。保健センターなどで栄養指導・食事相談を行うほか、料理教室や発酵食づくりのワークショップを主催。
現在は、栄養関連の記事執筆やレシピ作成、栄養監修、食生活アドバイスなどを中心に活動。管理栄養士の知識と経験を元に、最新かつ正しい情報をお届けし、あなたの健康づくりをサポートします。
塩分は、高血圧の予防や健康のために、とり過ぎてはいけないとよく聞きますね。
でも、塩分はとり過ぎがよくないだけでなく、不足しても健康に悪影響があることを知っていますか?
とくに気温の高い時期や、運動をする時、病気の時などに、塩分が不足しやすいので、気をつけなくてはいけないと、ぜひ知っておいてください。
今回は、塩分の摂取量の目安と、塩分不足をチェックする方法、さらに、塩分のとりすぎを予防するコツなどを解説します。
塩分の正しいとり方を理解して、塩分と上手につきあっていきましょう。
塩分の摂取量は?目標目安
- [食塩の1日の摂取量]
「日本人の食事摂取基準」では、食塩の目標量を1日あたり成人女性7.0g未満、男性8.0g未満にするのが望ましいとしています。
高血圧の方については、食塩摂取量 6g/日未満を目標とします。(日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインより)
世界基準の減塩目標はさらに厳しく、WHO(世界保健機構)は、高血圧予防と治療のための指針として、食塩摂取量5g/日未満を勧告しています。(2013年)
日本人の食事は、しょうゆやみそを使い、漬け物や干物などの塩蔵品をよく食べるので、食塩を多く摂る傾向があります。
実際に調査したところ、成人の食塩摂取量は1日あたり、女性9.1g、男性10.8gで、目標量より2gほど多くなっていました。(平成29年国民健康・栄養調査より)
こんな時は塩分が足りていないかも?塩分不足のチェック方法
健康に普通の食事がとれていれば、塩分が不足することはほとんどありません。
でも、暑さや激しい運動などで、大量に汗をかいたり、ひどい下痢やおう吐をしたり、利尿剤を使用した時など、ナトリウムが多く排出されると、塩分不足に陥ることがあります。
健康のためにと、ストイックに減塩をしすぎて、塩分が足りなくなることもあります。
塩分は少し足りないくらいでは、自覚症状はありませんが、不足が進むと、さまざまな不調を感じるようになります。
以下の項目の症状に当てはまる時は、塩分が不足しているかもしれませんので、早急に塩分と水分を補給しましょう。
塩分(ナトリウム)不足のチェック項目
- 疲労感・だるい・力が入らない感じがする
- めまい・立ちくらみ・ふらつき
- 頭痛
- 食欲がない・吐き気
- 足がつる・筋肉がけいれんする
- 意識がもうろうとする
汗や尿などと一緒に塩分(ナトリウム)が排出されて、水分と塩分が適切に補給されないと、体内のバランスが崩れて、脱水症状が起こります。
体の水分量が減ると、血液量も少なくなるので、脳への酸素供給が減り、めまいやふらつきなどを感じるようになります。
消化液の分泌も少なくなるので、食欲不振や吐き気が起こります。
足がつったり、筋肉がけいれんしたりするのは、塩分不足で筋肉の収縮を調整する機能が落ちるためです。
塩分不足がひどくなると、意識がもうろうとする意識障害が起こる危険性もあります。
この場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
日ごろの食事では塩分のとり過ぎに気をつけよう
汗を大量にかいた時や、病気で食事がとれない時、減塩をし過ぎている時など、特別な事情で塩分不足になることはありますが、普通の食生活では、塩分はとり過ぎになりやすいものです。
塩分をとり過ぎると、のどの渇き、顔や手足のむくみ、血圧の上昇などの症状が現れます。
さらに、塩分過剰が続くと、脳卒中や心疾患などの生活習慣病や、胃がんのリスクが高まる可能性もあります。
日ごろの食事では、塩分のとり過ぎに気をつけるようにしましょう。
味つけには、減塩しょうゆや減塩みそを使ったり、ハーブやスパイス、酢などを活用すれば、味を損なわずにおいしく塩分を減らせます。
カップめんなどの加工食品やスナック菓子などは、塩分が多いので、たまの楽しみ程度にしましょう。
もし、塩分をとり過ぎた時は、ナトリウムを体の外に出す作用を持つ「カリウム」が豊富な野菜や果物(トマト、小松菜、アボカド、バナナなど)をしっかり食べるといいですよ!
まとめ
塩分はとり過ぎると良くない“悪者”と思われがちですが、不足しすぎても健康を損なう危険性が高くなります。
食塩の摂取目標量は、1日あたり成人女性7.0g未満、男性8.0g未満です。
きちんと食事をとっていれば、不足する心配は少ないですが、汗をかきすぎたり、食事がうまくとれなかったりすると、塩分不足になるリスクが高まります。
塩分不足になると、めまいや頭痛などさまざまな症状が出てきます。
今回ご紹介した塩分不足のチェック項目の症状がある場合は、すぐに塩分を補給するなどの対応をして下さいね。
塩分のとり過ぎと不足に気をつけて、しっかり健康管理をしていきましょう。
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参考URL
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
- 公益社団法人日本WHO協会「塩分の削減」
- 平成 29 年「国民健康・栄養調査結果」P20「1.食塩摂取量の状況」
- 新星出版社「栄養の教科書」
- 中嶋洋子監修
参考書籍